COLUMN

【DAYLILY Talk 01】DAYLILYが生まれるまで 第2回

編集:深谷千尋

12月に行われたDAYLILY初のトークイベントを、編集ダイジェスト版でお届けする連載、第2回です。

Eriと共にDAYLILYを起ち上げると決めた小林がデザインに求めたこと、河ノがDAYLILYに参画を決めた理由、そして、小林が考える、これからのブランドに必要なこととは。

文化になっていくためのデザイン

小林
えりちゃんに話をして実際にDAYLILYをやるとなった時、デザインは大事だなと思っていたんですよね。単に表面的なデザインだけではなくて、DAYLILYがこれからの一つの文化になっていくためのデザインが必要だと。

そういうものを一緒につくってくれるような方がいいなあと思った時、一番に思い浮かんだのが河ノさんでした。

河ノさんとの出会いは、わたしが学部生の時なので、6、7年前…

河ノ
もっと前だよ(笑)。

小林
え、もっと?(笑)

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河ノ
最初にあった時は、もえさん18歳とかだったよ。
「若いのに、立ち居振る舞いがすごく大人っぽい子だな」という印象を受けた気がします。

写真サンプル

小林
ああ、じゃあすごい前ですね、はい(笑)。
そのくらい若い時に知り合いました。
わたしはそのころ「和える」という伝統工芸ブランドの立ち上げに携わっていて、そこでお世話になったデザイン事務所のお花見で初めて会い、河ノさんが化粧品など女性にまつわるプロジェクトに関わっているという話を聞いて。
デザインしたものも見せてもらって、「ああ、すごい素敵だな」と思いました。男性なのに、こんなに女性の心に響くデザインができるのか、と。
それを覚えていて、DAYLILYについていきなり相談をしたという感じです。

写真サンプル

「誰がやるか」という強いファクト

河ノ
もえさんから漢方のライフスタイルブランドをやりたいという話を聞いた時、わたしがおもしろいなあと思ったのは、その背景、日本と台湾という異なるバックグラウンドを持つ二人が始めたことです。

みんながSNSを通じて個人レベルでつながるようなフラットな世界では、企業であれ個人と同格で、個人のように見なされる。
そうである以上、「誰が」が重要になると思っています。それは、一時代前の「企業アカウントと中の人」のような話ではなく、もっと本質的な、会社そのものの属人性の話です。

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河ノ
わたしたちのような小さなスタートアップは、大企業のように大きなバジェットを扱えてたくさん広告を出せるわけではありません。
そんな小さなスタートアップが、フラットな世界でみなさんと関係を築いていく時、初期段階では顔が見えていることが必須だと考えていました。

その点DAYLILYは、「誰が」が明確に見える。つまり、えりちゃんともえさん自身がブランドのアイデンティティであり、コンテンツの一部なんです。
そこにポテンシャルを感じて、DAYLILYに参画させていただきました。

小林
「誰がやるか」ということは、わたしも最近考えることが多いですね。
DAYLILYは、自分たちで商品をつくり、自社チャネルでの販売しか行っていないため、よくD2C(Direct to Consumer)というビジネスモデルにカテゴライズされまして、同じようにD2Cでビジネスを展開されている方にお会いする機会もあります。

そんな中で、まがい物っぽいものがすごく増えているなあと感じていて。表面上は、ストーリーや思いを語っているんだけれど、実際に会ってお話を伺ってみると、実はただマーケティングから始まっているだけで、その方の思いが特になかったり、別にお客さまとダイレクトにつながりたいわけでもなかったり。

そういうのを見ると、すごく悲しいなあと思いますし、だったらもうDAYLILYをD2Cと呼ばないでほしいなあとまで思っちゃうんですよね。

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小林
じゃあ、これからの新しいブランドでは何が大事になるんだろうと考えた時、「誰が」であったり、「何を」であったり、そういうファクトの部分がちゃんとあることが肝になるんじゃないかなと。
そうしたファクトがないと、それを取り巻くストーリーも描いていけないですし、核のあるブランドにはならない気がしています。強いファクトがないブランドは、きっとどんどん淘汰されていくんだろうなと。

河ノ
そうですね。
もえさんとえりちゃんは、マーケティングが先にあったわけじゃないんですよね。自分たちがほしい漢方がなかったんです。
僕に声をかけてくれた時も、こうしたらニーズがあるんじゃないかとか、そういうことは言ってなかった。台湾ではコンビニでも当たり前に漢方が売られているのに、日本では漢方と生活が離れている。そう言っていたように記憶しています。

つづきます

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