【漢方養身】Eriに聞く、台湾と「冷え」のこと。
靴の中で足がカチコチに冷えていたり、のぼせているのに下半身は冷えたままだったり、胃腸の冷えからお腹を壊したり。冬になると特に身にこたえる「冷え」について、台湾の漢方薬局に生まれ育ったEriに話を聞きます。そもそも台湾に「冷え性」はあるのでしょうか?
テキスト:Eri 編集:深谷千尋
ー
日本の「冷え性」のように体が慢性的に冷えている症状は、台湾では聞いたことがありませんでした。
それは、台湾の気候が一年を通じて温暖だからということもありますが、台湾の人たちが、自分の体が冷えているのか、逆に熱を持っているのかということに敏感で、体の状態に応じて都度対処をしているからでもあるかな、と思います。
台湾の女性は、体が冷えることで生理痛がひどくなってしまうことや、出産後は体を冷やしてはいけないということを、幼いころから親に教わります。
なので、冷たいものや体を冷やす性質のものを食べ過ぎないように気をつけたり、寝る時にお腹を冷やさないように気をつけたりしている人が多いです。
マイボトルにお湯を入れて持ち歩いている女性もよく見かけますね。台湾の学校や会社には、必ずと言っていいほど給湯器があるんです。そのため、マイボトルにお湯を入れて持ち歩き、なくなるとそこから補給する人が多いですよ。
お茶やコーヒーでもいいのですが、飲み過ぎれば体に影響が出るので、一日中飲み続けることはないかなと思います。
それでも体が冷えてしまったなと感じた時は、体を温める性質のものを食べます。
わたしのおすすめは黒糖生姜。黒糖も生姜も体を温める性質の食べ物で、もちろんそれぞれ別に摂ってもいいのですが、なにせこの組み合わせはおいしいのです。
冬になると、台湾では温かいデザートを販売するお店が出てきます。そうしたお店では、豆花(トウファ)、豆、いも、団子などの好きな具材を選び、黒糖生姜のスープと一緒に食べることができますよ。
また、スーパーや漢方薬局では、黒糖生姜をおうちで手軽に楽しめる商品が販売されています。
例えば、お湯を注ぐだけで飲める黒糖生姜湯のもと。黒糖の甘さのなかに生姜の辛さがほんのり感じられます。飲むと体が温まるのはもちろん、その温かさが持続してくれるので、寒い冬にぴったりの飲み物です。
スーパーマーケットで売られているものはシンプルに黒糖と生姜から、漢方薬局で売られている物は、そこへ漢方素材も加えられています。DAYLILYのUplift Herbal Syrupも、黒糖生姜をベースに、女性の生理を意識してブレンドした漢方素材を加えました。
台湾では、黒糖生姜チップスも売られていますね。
お味はそのまま、「甘い味の付いた生姜」という感じです。ただ、とても辛みが強いので、一気にたくさん食べることはできません(笑)。
自分の体の状態を知り、それに応じてどんなものを食べるか考えること。これが、冷えに限らない台湾的養身なのかもしれません。
まずは、冷えないように気をつける。それでも冷えてるなと感じたら、ぜひ、おいしく無理なく取り入れられる黒糖生姜をお試しください。